活動日誌【2019年10月】

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 2019年10月27日 がん患者・家族と医療者の協働講演会「がんとの共生」を終えて (佐藤好威)
 13:00 開会宣言。私の方から、冒頭のあいさつを行った。今回の協働講演会が6回目になること。最初の2年間の2回は、「がんサロンとは」の紹介。その後県内サロンは40カ所を超えて開かれていると報告。次の2年間の2回は、がん患者会・サロンのリーダー・世話役養成講座として、世話役の役割・活動を提示。特に、傾聴と事前準備の重要性を説いた。そして、5年目の昨年は、がん対策基本法改訂にあたり、条文中に「がん患者が尊厳を保持し、安心して暮らせる社会の構築」の文言が明記され、その中の「患者の尊厳」についてパネルディスカッションをした。そして今回は、がん医療の進歩ががん患者の生存率を延長し、がんを抱えて生きていく方が増え、「がんとの共生」が課題となったと、本日のテーマの背景を紹介した。
 続いて、県がん対策推進室長が、がん対策の責任者として、国との話し合いなど、現状を平易に話した。引き続き、元国会がん患者・家族の会会員で、当会の講演会に最初から参加している方が挨拶。当会を外から見てくれ、民間の地道な活動が大事だと強調していた。 
 13:30 基調講演。最近発表された、5年、10年生存率を紹介。がん治療の進歩が生存率の向上を生んでいると話し、これまでのように、がん対策を治る・治らないの2タイプだけを想定して良いのかと問題提起した。
 講演1は、「肺がんとのつきあい方」と題して、水戸医療センターの内科診療部長E医師が口演。前半で肺がん患者の疫学的データー、次いで、肺がんの病理的特徴と臨床症状、診断の流れ、進行度、治療法の選択等の概要を述べた。後半には、治療シークエンスの解説。世に言う「治療法がなくなりました」という文言は医療者からは出てこないと話した。最後に。「がんと上手に付き合うための10の道しるべ」を紹介。一番目の道しるべ;自分や周囲を責めるのはやめましょう、は重い言葉だった。そして、「がんと上手に付き合う秘訣―トリプルA- ①あわてず、②あせらず、③あきらめず を提言し講演を終えた。参加者にはインパクトの強い講演だったようだ。
 講演2は、古河保健所所長のO医師が「前立腺がんの告知と治療後の生活へのアドバイス」と題し、口演した。冒頭では、通常ヒトの体内でのがん細胞の発生数は?がんが径1㎝の大きさになるのに10~20年かかるが、径2㎝になるにはどのくらいかかるか?など質問形式で話を進め、参加者の関心を集めた。次いで、前立腺がんの診断・治療の概要を紹介。O先生が行っている告知の要点は、①前立腺がんは予後が良い、②早期治療で”治る“、③ホルモン治療は化学療法のような副作用はないなどと話し、患者さんを安心させた。告知の項で、前立腺がんは、ほとんど治ると強調していたのが印象深かった。
 休憩後「討論」に入り、「がん患者・家族は、がんとの共生をめざしてどう生きるか」をテーマに、医師、患者、家族・遺族、看護師、生命保険会社の方がそれぞれの立場から、意見や考えを述べた。先ず、がんサロンサルビアの会代表、赤荻医師は「がんとの共生」で思うことと題し、サルビアの会の経験を紹介した。がんとの共生は「いつも死と向き合うこと」「無理解や偏見や孤独との戦い」であるから、心を支える場が必要だと結んだ。
 患者Aさんは、8年前に乳がんの告知を受ける。手術してもアコーディオン演奏はできるという医師の言葉を信じ治療に入る。リンパ節転移もあったが入院中からリハビリをする。退院後アコーディオンを弾きはじめ、仲間たちと話し合い、その中で命の大切さを学びましたと話す。もし再発しても、そこからもう一度始める決意だとのこと。
 患者Bさんは乳がん患者。当初は、がん=死と考え、生存率や家族のことを考えた。主治医や仲間と話し、がんを学ぶ。がん教育にも関わり、町議としての活動も行っている。12月に改選期があるが、医師より大いに務めてくださいと励まされたとのこと。
 遺族のCさん、今年1月に水戸市内で遺族会を開設。初めは、がん患者サロンに参加していたが、がん患者と遺族の気持ちのずれが大きく。遺族会を開いたと話した。
 生命保険会社のDさんは、30代のAYA世代。生命保険は、「お金の問題を解決してくれる」が、「被保険者の思いと内容」が重要で、自分の意図と合っているかどうかを熟考して欲しいと述べた。
 患者Eさんが発言。乳がんが発覚。4.5年後肺転移。毎月治療に3.5万円かかるが、年金は61歳のためもらえていない。この月々の医療費は負担と語った。
 O医師曰く、「我々は、生活保護を貰っている患者でも真剣に診て、治すために尽くします」とのこと。
 最後に、新堀医師が口演と討論のまとめを行った。
 10月15日 がんサロンしろやまざくら
 10:20開会宣言。近況報告は、台風対応状況から始めた。一通り、皆さんの報告を聞き、事なきを得ている様子に安堵するも、河川決壊・浸水に見舞われた多くの人たちへの深い配慮を願った。茨城県は本当に災害が少ない故に、思いやる気持ちが上滑りしているように感じるのは、私だけか?もう一つは、県内の情報が県民に共有されていない。自前のTV放送局がない所為では?
 13:00 勉強会講師の管理栄養士さんが、「がんと栄養について」の講義をしてくれた。
 講義の中で、治療法別の具体的な副作用の話は興味深かった。特に、胃がんの例では、噴門摘出が含まれるか否かで副作用症状が異なり、逆流・嘔吐・食欲不振による体重減少は噴門側切除の患者に多いとのこと。一方、化学療法の副作用と好発時期の図解は分かりやすく明瞭だった。特に、悪心嘔吐については、予測性、急性、遅発性の三段階があることは耳新しかった。
 後半は、身体に必要な栄養素の解説とバランスの良い食事例を紹介。特にバランスの良い食事とは、主食、主菜、副菜にそれぞれにちりばめられた栄養素が含まれているとのこと。
  最後に、科学的根拠に基づく「食生活・栄養成分」とがんについて、研究調査中のデータを提示した。野菜果物類は、概ね口腔咽頭口頭、食道、肺、胃等の発がんリスクを抑えるようだ。
 10月11日 地域がんサロン 虹 
 参加者は、全部で16名でした。スタートは勉強会。「大切な人が『がん告知』されたら~その時私は~」と題し水戸医療センター副看護師長Hさんが話した。
 興味深かったのは、国立がん研究センター発行の冊子に掲載されている「ストレスへの心の反応」のグラフを駆使し、順を追って患者家族の心的変化を説明したことです。「がん」という言葉は患者家族の心に大きなストレスと衝撃をもたらす。告知の直後、「頭の中が真っ白になって何も考えられない」、次いで、「不安や落ち込みが増大し」集中力が低下し、日常生活への適応が著しく低下した時期に相当し、この時期は余り無理に頑張ったり、平静を装ったりする必要はありませんと教示。日常生活への適応が著しく低下状態は、時間と共に薄らいでいきます。少しずつ気持ちが落ち着いて来たら、情報を収集し、正しい情報に基づいた医療を受けてくださいと語り、患者家族のストレス状態の変移を終えた。
 講義の後半は、患者へのサポートについて語った。患者はがんになることで、役に立てず、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちになります。そのようなときには、「その人がいるだけで救われていると対応してください。そして、静かに傾聴し、受け止めてください。傾聴は相手を理解することです。そして、気持ちを強制せず、「それでいいんだよ」「いつもそばにいるよ」というメッセージを伝え、見守ってくださいと語った。
 がんサロンハマナス
 令和元年10月10日例会。快晴。
11時直前にS看護師が来られたので開会宣言。本日の予定の紹介と勉強会テーマの解説。関連キーワードとして、勉強会テーマとも関連する「不動の痛み」を記憶して欲しいと述べた。
 近況報告は、ムカデに噛まれた話や新薬の副作用チェック入院を終えて退院した報告や相変わらず、足の痺れと冷感は抜けず、食欲もあまりない等々の近況が述べられた。新規参加のSさんは87歳。過去に結核、胃がんに罹り、今回は間質性肺炎を患い入院加療中。満州奉天で生まれ、終戦後の混乱期に引き上げてきたとのこと。興味深い話だった。 午後の勉強会は、『がんとリハビリテーション』理学療法士の話で、がんとリハビリテーションについては、まず、がんに因る障害の種類を分類した。1つは、がんそのものによる障害(痛みや骨折、麻痺や言語障害、排尿障害、痺れや筋力低下)と、もう一つは治療の過程で生じる障害(筋力体力の低下、合併症、運動障害、嚥下発声障害、機能障害等々)を紹介し、これらの障害によって生じる生活の質の低下を改善する医療的ケアががんのリハビリですとのことだった。
 10月7日 友部やまびこ
 今回のサロンは、予定された参加者が顔を見せず、少人数で開会。14:40 当病院リハビリテーション技術科 作業療法士が「がんのリハビリテーションと自律」と題して講義。
 先ず、がん患者のリハビリの目的は「患者と介護する家族のQOL(qualitiy of life;
生活の質)の向上です」と定義づけ。さらに「リハビリテーションは、患者の日常生活動作の獲得や筋力・体力に応じた動作の獲得を目指し、結果として『自分らしさ』の向上を支援すること。そしてそれは、患者の『尊厳』の回復につながる」と述べた。特に、従来のリハビリと異なるのは、心理的精神的機能の維持または回復による「自分らしさ」の獲得に注力してきているとのこと。「自分らしさ」は、他人からの支配や助力を受けず、自分の立てた規律に従って行動を律する「自律」に通じ、痛みや筋力低下、日常生活動作能力が低下しても自分の決定権持ち続けること。周囲に遠慮し、あきらめることなく、家族や地域の中で生活できるようにサポートして行きたいと結んだ。

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